インプラントを用いた入れ歯の維持

2014年10月01日

利根歯科診療所
歯科医師
豊田 庸光(のぶあき)

総入れ歯の悩みで多いのは、入れ歯が落ちてくる、緩い、動いてしまって噛めないなどです。一生懸命つくった入れ歯でも、動く、緩い等の症状が出てしまい、100%満足していただくことは大変難しいのです。
近年歯科医療は様々な発展をとげ、インプラント治療も広く知られるようになりました。今回は、少数のインプラントと義歯を組み合わせ、義歯の緩さを改善する「インプラントオーバーデンチャー」についてお話します。

Qインプラントとは?

インプラントは、歯が抜けてしまったところの骨にネジ状の人工の歯根を埋め込む治療方法です。
図1の埋め込まれたインプラント(人工歯根)の上には、図2のように土台を建てて人工の歯を被せたり、図3のように入れ歯とインプラントを繋げるパーツを装着したりと、様々な治療方法があります。

  • 図1.当院で用いているストローマン社のインプラント
  • 図2.インプラントの上に土台を建てて人工の歯を被せた状態

Q インプラントオーバーデンチャーとは?

インプラントオーバーデンチャーは図3のようにインプラントを用いて義歯を固定し、義歯が落ちたり動いたりするのを抑えます。
インプラントと義歯の固定は、まずインプラントに小さな土台を建てます(図3の黄色の部分が土台)。この土台は歯肉から約2~3mmだけ飛び出ます。入れ歯にはこの土台と繋げる為のキャップを埋め込んでおきます。この入れ歯に埋め込まれたキャップにインプラントに建てた土台がはめ込むことで、入れ歯が外れたり落ちたりしないようになります。

図3.インプラントオーバーデンチャー 

取扱いについて

顎の骨に埋め込んだインプラントは患者さんが取り外すことは出来ませんが、入れ歯は患者自身で外すことができ、従来の入れ歯と同じように使えます。例えば食事後に入れ歯を外して洗ったり、夜寝る前に外して洗浄剤に浸けておくことが可能です。
取扱い方法も普通の入れ歯と同じで、特別なことをする必要はありません。また、入れ歯自体はかけたり壊れたりした場合も修理が可能です。顎の骨に埋め込んであるインプラントはご自身の歯と同じように歯ブラシで綺麗に磨いて、定期的に歯科医院を受診してメンテナンスをすることが大切になります。

インプラントオーバーデンチャーのメリット

顎の骨に埋め込むインプラントの本数は患者さんの顎の骨の状態や、残っている歯の数によって異なります。例えばご自身の歯が一本もなく総入れ歯である場合、上あごにインプラントを2~4本埋め込んで入れ歯と固定します。下あごの場合は、埋め込むインプラントの本数は2~3本であることが多いです。
インプラントと義歯を組み合わせた治療は、埋め込むインプラントの必要本数が少数である事も特徴となります。また、入れ歯を取り外せることから、お手入れも簡単で清潔に保ちやすいというのも大きな利点です。

相談はお気軽に

インプラント治療一つとっても、被せものをしてご自身の歯と同じように固定式のものにしたり、インプラントと義歯を組み合わせて取り外し式のものにしたりと、多種多様です。どのような治療が一番よいかは患者さんによって異なります。お口の状態に合わせ、その方にあった治療方法をインプラントも含めた様々な治療方法の中から提案し、患者さんと歯科医師が話しあいながら、治療方法を決めていきます。
インプラント治療は患者さんの身体や顎の骨の状態によっては、当院での治療ができない場合もあります。また、インプラント治療は自由診療ですので保険がききません。患者さんの状態によって、費用や治療期間、方法などが変わりますので、ご希望の方は利根歯科診療所(0278-24-9418)までお問い合わせください。相談は無料です。

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