「包括支払制度(DPC)について」 ~ 2014年4月から入院費の計算法が変わります

2014年03月01日

利根中央病院
診療情報管理課 課長
高井一茂

2014年4月より、全国の大学病院や国立病院、急性期病院で用いられている「DPC」(包括支払制度)を利根中央病院にも導入する運びとなりました。「DPC」により、病院機能や治療成績など、病院の透明性が高まることが期待できます。

より適切な入院費に

現在、当院における入院費は、医療行為の「出来高払い」で計算しており、例えば検査やレントゲン、使用した薬剤等のそれぞれ全てを積み上げて合算する方式です(図左部)。
一方、DPCは、入院患者の病気の種類と診療内容によって分類された「診断群分類」に基づき、厚生労働省が定めた一日あたりの入院費用のうち、投薬・注射・処置・検査・レントゲン・入院料等の定額部分と、手術・リハビリ・内視鏡検査といった治療内容等の出来高部分を組み合わせ、全体の医療費を計算する方式です(図右部)。
DPCは、標準的な医療を、病気ごとに適切な日数及び医療費で受けられる制度であり、多くの急性期病院で導入されています。

医療費の内訳

医療費の請求は、「包括部分」と「出来高部分」の他、食事代や自由診療等の部分を別途加えた上で、最終的な金額を出すこととなります。

支払い方法

保険診療の支払い方法は今までと変わりません。月ごとに「診断群分類」を決定する為、退院時もしくは毎月月末一回の支払いになります。また、治療の経過により入院当初に確定した「診断群分類」と異なる場合も発生しますが、その際には費用の調整をさせていただくことになりますのでご承知おきください。また、2014年3月31日以前から入院している場合は、引き続き二ヶ月間は従来どおりの計算で入院費用を計算します。
なお、DPCは入院費の計算方式のため、外来で受診される場合の計算方法に変更はありません。

DPCの対象とならない方

また、全ての入院患者がDPCの対象となるわけではありません。以下の場合は従来どおりの計算となります。

  1. 臓器移植、治験等、DPCの対象外と定められた患者の場合。
  2. 病名が「診断群分類」に該当しない患者の場合
  3. 自費診療、交通事故、労災、公災、お産等の健康保険以外で治療をされる患者の場合。

高額療養費の取り扱い

高額療養費の取り扱いはこれまでの取り扱いと変更ありません。
ご不明な点がございましたら、利根中央病院入退院窓口(0278-22-4321)までお問い合わせください。

入院される方へのお願い

  • 予定入院の患者は、外来で検査を済まされてから入院となります。 
  • 普段服用されているお薬は必ずご持参ください。
  • 病気の種類によって現在より医療費が高くなることもあれば、安くなることもありますが、必ず加入されている健康保険組合に入院費限度額の申請を行ってください。
  • 医師の判断で、他医療機関へ紹介させていただく場合もありますが、原則として、当院入院中に、他医療機関での診療や投薬を受けることはできません。医療機関の診療を希望される場合は、必ずご相談ください。

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