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元気なお口で美味しく長生き

2019年6月1日

利根歯科診療所

歯科衛生士

星野 美里

 

1989年からスタートした8020運動。開始当初は、80歳の平均残存歯数は4本、20本以上ある達成者は1割にも満たない状況でした。それが今では、8020達成者は、5割に達しています。しかしながら、美味しく食事をとる為には、歯の本数のみでなく、加えてお口の周りの筋肉や舌などが適切に機能していることが重要です。そして、歯数が減り始める50歳代からこうした機能も、徐々に低下し始めていると言われています。

放ってはいけない!オーラルフレイル

一昨年こちらのコーナーで取り上げました「オーラルフレイル」は、「口の機能の衰え」のことを言います。具体的には、日常生活における口のささいなトラブル(滑舌低下、噛めない食品の増加、むせ、など)を放置してしまうと、食欲低下、食品多様性の低下に至り、さらに、噛む力の低下、舌の動きの低下などの口の機能低下が生じ、低栄養や筋肉の減少の危険度が高まり、最終的には食べる機能の障害、さらには心身の機能低下にまでつながる一連の負の連鎖のことを表します。つまり、口の機能の衰えは、口だけでなく身体の衰え、心や社会性の衰えにもつながっているのです。
多くの人は、加齢と共に低下する運動機能・栄養状態・生活能力を「歳のせい」と諦め、自ら活動範囲を狭めたり、食べにくいものを避けたりしがちです。そして、自覚しないまま悪循環に陥り、要介護状態となりやすいのです。こうした口まわりのささいな衰え(図1)を自分ごととして、行動変容に繋げることが、オーラルフレイル対策の最初の一歩となります。

図1

口まわりの衰えをチェック 7つの症状でお口の機能を評価

@口腔衛生状態不良(こうくうえいせいじょうたいふりょう) 
A口腔乾燥(こうくうかんそう) 
B咬合力低下(こうごうりょくていか)
C舌口唇運動機能低下(ぜつこうしんうんどうきのうていか) 
D低舌圧(ていぜつあつ)
E咀嚼機能低下(そしゃくきのうていか) 
F嚥下機能低下(えんげきのうていか)  
以上、7つの症状について検査しお口の機能低下の状態を評価します。このうち3項目以上に該当すると口腔機能低下症と診断します。
お口の状態は人それぞれであります。利根歯科診療所では、舌圧測定器、口腔水分計(図2)などを購入しより適切に機能評価できるようになりました。

 

 

・健口くん
「パ」「タ」「カ」をそれぞれ5秒間または10秒間発音し、口の周りや舌の動きを測定します。


・簡易型呼気計測器タスクル
簡易に呼気力を計ることか゛て゛きる測定器て゛す。繰り返し使用し、呼気力を高めるトレーニンク゛も行えます。


・口腔水分計
お口の粘膜に含まれる水分量が2秒で手軽に測定できます。


・舌圧測定器
舌の運動機能を最大舌圧として測定する機器です。測定値は摂食・嚥下機能や構音機能に関する口腔機能検査のスクリーニングの指標となります。


受診の際は、是非ご相談下さい。オーラルフレイルは、近い未来に全身が衰えるサインです。しかし、適切な対応により回復可能であることもわかっています。まずは、自分のお口の機能がどの様な状態なのか知ることから始めてみましょう。

お口の機能低下改善トレーニング

@舌・表情筋・食道のまわりの筋肉を鍛える
あいうべ体操・舌回し体操

A舌・頬、口唇などの筋肉を鍛えて滑舌を改善
早口言葉 例)生麦生米生卵

B口元の筋力と呼吸機能を鍛える
最近のおすすめがトレーニング用吹き戻し 商品名 長息(ながいき)生活(図3)
各自の吹き出す力に合わせた負荷がかかった吹き戻しを選ぶ

 

いずれのトレーニングも毎日継続して行う事がとても大切です。練習を1日さぼると3日前の技量に戻ると聞いたことがあります。張り切って一気にたくさんトレーニングするよりも、毎日さぼらずできることを継続して行うことが機能維持、機能低下予防には効果的かと思われます。そして、良いとわかっていても続けられないことも意外と多いものです。歯科受診や班会の参加を利用して何度でも再開してチャレンジしていきましょう。目標は、「食べられる口で、美味しく長生き」ですよね。

 

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