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健康情報

子どもの発熱・咳・嘔吐 ――受診と家庭での対応――

2019年4月1日

利根中央病院

小児科医長

山田 諭

お子さんが急に熱を出した、吐いてしまった、息苦しそう、などということは多くの方に経験があることでしょう。そのようなときに、すぐに受診したほうがよいのか、あるいはまだ自宅で様子を見られるのか、悩むことも多いと思います。そこで今回は、お子さんの代表的な症状の特徴や受診するタイミング、家庭でできる対応などについて簡単にお話しします。

発熱があるとき

小児は平熱が成人よりも0.5℃ほど高く、比較的簡単に高熱にもなります。40℃の発熱も珍しくありませんが、発熱の程度と病気の重症度は関係ない場合がほとんどです。また、意識がおかしかったり、けいれんするなどの症状を呈する髄膜炎や脳炎などの重症な病気を除き、発熱そのものが脳に影響することはまずありません。発症から12〜24時間が経過しなければ検査が陽性になりにくいインフルエンザをはじめ、熱発してから時間が短すぎると症状に乏しく診断に苦慮することもあります。一般的な感冒でも平均して3日くらいは発熱があることが多いので、元気がある場合などは「熱が出たらすぐに受診」ではなく、お子さまの様子をよく観察し、からだを冷やしたり、水分をこまめにとらせるなどの対応をして症状をやわらげましょう。
微熱ではない発熱が3日を超えるようなら、一度受診をしてみてもよいでしょう。発熱の推移やその他の症状を体温表などにまとめると、受診の際にも情報を伝えるのに役立ちます。また、生後3か月未満の乳児が熱発した場合や、寝てばかりいてぐったりした状態が続く場合は、感冒ではなく細菌感染症の可能性があるので早めに受診してください。

咳がでる、息苦しいとき

咳自体は生体防御反応の一種なので、苦しさのない咳は長期(1か月以上)の場合を除いて心配いりません。基本的には呼吸の回数が1分間に40回以上ある、苦しくて横になれない、胸やみぞおちがぺこぺこくぼむ、ぜいぜいした音が顔を近づけなくても聞こえる、などの「呼吸が苦しいサイン」があれば早期の受診を心がけてください。寝られる場合や、たくさん咳が出ても短時間の場合は、部屋を加湿したり水分をとって痰が固まるのを防ぎながら様子を見て大丈夫です。例外としてオットセイや犬が吠えるような咳が出る場合は喉頭炎(こうとうえん)という病気のことがあり、早めに受診したほうがよいことがあります。

嘔吐したとき

小児では神経の調節機能が未熟であり、生理的に成人より嘔吐しやすくなっています。そのうえ脱水になりやすいので、嘔吐の回数が多く水分が摂取できない状態が続くときや、顔色が悪い、ぐったりしている場合などは早めに受診することをおすすめします。
裏を返せば、水分がある程度とれているようなら急いで受診する必要がないこともしばしばあります。脱水も心配ですが、吐き気の強いときに無理に水分をとらせると嘔吐を悪化させますので、30分から2時間程度は飲水せずに観察したほうがよいでしょう。その後、少量から水分を再開してください。小児の嘔吐の原因は大半がウイルス感染であり、どのウイルスでも嘔吐は半日から1日くらいで症状が自然に軽快に向かうため、受診の目安にしましょう。なお、吐物や下痢の始末には細心の注意を払い、家族内での蔓延を防ぐことも重要です。

夜間・休日は#8000

代表的な症状と対策について簡単に説明しましたが、それでも判断に迷うときも多いかと思います。そのようなときには日中なら病院に相談できますが、夜間や休日は小児救急電話相談(近日中に名称が変更になる予定ですが、番号は変わりません)「#8000」を活用してみてはいかがでしょうか。全国47都道府県で利用可能で、相談件数も毎年増えています(図1)。相談の結果では8割の内容ですぐに受診する必要がないと判断されており(図2)、お子さまの様子をしっかり観察することは重要なことと言えます。保護者の皆さんは我々以上にお子さまに「安心」を与えてあげられるはずです。できることを増やして、いっしょにお子さまの健康を守っていきましょう。
今回お話した内容は概ね県が発行している「子どもの救急ってどんなとき?」という小冊子に準じていますので、詳しく知りたい方はそちらもご覧ください。県のホームページでの閲覧、あるいはお近くの県民センターや保健福祉事務所に置いてあります。

 

図1 #8000 全国相談件数(平成16年度〜平成28年度)



図2 平成29年2月 合計6237件の相談内訳 5都道府県(北海道、埼玉、富山、岐阜、広島)

 

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「こどもの喘息について 〜まず環境の整備を〜」 (2011年12月号)

 

「子どもの救急ってどんなとき?」 (外部リンク)