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心臓リハビリってなぁに?――心臓病の改善と予防のために――

2019年3月1日

利根中央病院

心臓リハビリテーション指導士

狩野 進之助

心疾患は悪性新生物(がん)に次いで日本人の死因第2位となっており、死亡率は年々上昇しています。このことから、心疾患の進行の軽減や予防の取り組みとして心臓リハビリテーション(略して心リハ)の必要性が高まってきています。

しかし、わが国における心リハの普及度はまだ低く、特に心血管疾患患者の在院日数が急速に短縮する中で早期退院後の外来心リハの普及が遅れているのが現状です。

対象疾患・目的

心リハとは、急性心筋梗塞、狭心症、開心術後(冠動脈バイパス術後・弁膜症手術など)、慢性心不全、大血管疾患(大動脈瘤・大動脈解離など)、末梢動脈閉塞性疾患といった心疾患および血管疾患を対象とした入院直後の急性期から退院後の維持期にまで及ぶ長期的なプログラムを指します(表1)。スムーズな社会復帰や疾患の再発および悪化を予防することを目的としており、運動療法のほか、食事療法や生活習慣の改善、さらには患者自身に病気に対する正しい知識を身につけて頂くことを重視しています。医師、理学/作業療法士、看護師、薬剤師、管理栄養士などの専門医療職が関わって、患者一人ひとりの状態に応じたリハビリプログラムを提案、実施します。

 

表1 心リハの流れ


心リハの特徴

心リハでは心臓に負荷がかかる要素を取り除きつつ、弱くなった心臓機能の強化をはかっていく必要があるため、生活全般を改善していくという点が特徴と言えます。また、危険因子の是正、服薬・栄養指導だけでなく、筋肉でできている心臓の機能を高めるため、運動を取り入れるというところも特徴と言えます。
心リハでは病態の不安定な時期から運動療法や身体活動を行いますが、その際、運動強度を慎重に設定する必要があります。(図1)に示すように強度が弱すぎても効果のない運動になってしまいますし、逆に強度が強すぎると安全性が損なわれてしまいます。運動を処方する際には、安全かつ有効な運動を心掛けなければなりません。
通常、私たちは血圧や脈拍、自覚症状の変化などから身体機能を評価してこれを行いますが、信頼性の高い評価方法として心肺運動負荷試験(CPX)があります。運動中の呼吸状態や心電図変化を観察する検査であり、当院でもCPXを導入して患者の状態に応じた運動処方や機能評価を行っています。適切に運動強度を設定することで、運動が苦手な方でも無理なく始めることができます。

 

 

図1 運動強度

運動療法

運動療法には、持久力(運動耐容能)を改善する有酸素運動と筋力を向上させる筋力トレーニングの2つがあります。運動耐容能が高いほど心疾患患者の寿命が延長することがわかっており、心リハでは歩行や自転車こぎなどの有酸素運動を積極的に取り入れています。

図2 心リハ設備

心リハの効果

心リハには以下のような効果があり、生活の質(QOL)を高めるだけなく寿命を延ばします。

 

1 運動能力・体力が向上し息切れ等の症状が改善する

2 筋肉量が増加し楽に動けるようになり、心臓への負担が軽減する

3 心臓の機能が改善する

4 血管が広がりやすくなり身体の血液循環がよくなる

5 動脈硬化が改善する

6 自律神経が安定して不整脈の予防・改善につながる

7 不安やうつ状態が改善する

8 再発予防効果があり、死亡率が減少する


運動療法は運動能力の低い人や高齢者、心臓機能が低下している人の方がより効果が大きいこともわかっています。しかし、運動療法の重要性はわかっていても一人で継続するのはなかなか難しいものです。専門家による個別指導や同じ目的を持った仲間との交流により、モチベーションが向上し継続することができるようになるでしょう。

当院での心リハ
・自宅に訪問してもらうサービス:訪問介護(ホームヘルパー)、訪問看護など
・自宅から通うサービス:通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)など
・短期間泊まるサービス:ショートステイ
・施設に入居して受けるサービス:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など
・介護用具のレンタルや購入の補助:車いす、介護用ベッドなど
最近の施設利用について

昨年1月に心リハを開設して以降、入院・外来を問わず、他院からの紹介も含めて幅広く患者を受け入れており、対象患者は12月までの1年間で140名を超えています。また、当院には心疾患やリハビリ、生活指導について総合的な知識を備えた心臓リハビリテーション指導士(日本心臓リハビリテーション学会認定)が在籍しておりリハビリの質を保っています。


心リハを受けたい、関心があるといった方は当院循環器内科を受診し相談してみてください。

 

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